改訂新版 世界大百科事典 「マーネス」の意味・わかりやすい解説
マーネス
Alfred Manes
生没年:1877-1963
ドイツの保険学者。フランクフルトに生まれ,シュトラスブルク,ゲッティンゲン,ロンドンなどの各大学に学ぶ。その後ドイツ保険学会会長,《保険学雑誌》の編集者として,保険学に貢献した。主著《保険論》(1905)で提唱した,保険の目的を経済入用(必要)の充足であるとした〈入用充足説〉は今でも有力な保険学説の一つとなっている。また〈万人のための一人,一人のための万人〉という言葉を保険の精神であると説き,これは後に多くの保険学者が引用した有名な言葉となった。
なお,1934年人種的偏見のためナチスによりドイツを追われたが,その際蔵書の一部を日本生命が購入し,現在〈マーネス文庫〉として生命保険文化研究所に保管されている。
執筆者:松田 喜義
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報