みよしき

日本歴史地名大系 「みよしき」の解説

みよしき

一冊 二鬼島道智(仁木又五郎義治)

別称 阿波物語・阿波三好物語

成立 明暦三年以前

写本 国立国文学研究資料館史料館所蔵「徴古雑抄続編」

解説 嘉永四年に小杉真瀬可が野口年長所蔵の写本を書写した写本によると、計一一八の一つ書きから成るが、(一)一―六項、(二)七―五六項、(三)五七項以降の、それぞれ性格が異なる内容で構成される。(一)は三好家本宗および篠原紫雲、長宗我部元親の一族・被官にかかわるきわめて簡略な事績の記述、(二)は阿波守護細川氏の歴代の系譜(一部)と三好氏一族の簡略な列挙である。(一)(二)は作者のメモ書き状の記述であり、本書が系統的に記述された書物でないことを示す。(三)が本書の本文と目される部分で、天文二二年の三好義賢による主君細川持隆の謀殺から、蜂須賀家の阿波入国直後までの間の政治的動向を記す。本書は作者が岡本卜世(西条東城主岡本美作守入道牧西)から聞いた物語などを書留めたものとみられるが、「昔阿波物語」と同じ記述が認められることから、作者は二鬼島道智であったと考えられる。年代等の誤りもあるが、中世末期の阿波の情勢をうかがい知る貴重な記録である。

活字本阿波国徴古雑抄続編」・「続史籍集覧」七

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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