…ちなみに上田敏の訳詩集《海潮音》にある,オーバネル作と銘打たれた名訳〈小鳥でさへも巣は恋し……〉は,上記の《年鑑》の冒頭に掲げられたミストラルの長詩の一部とみられる。ミストラルは59年悲恋の大叙事詩《ミレイユ》を公にした。南仏の美しい自然を背景に多くの伝説を盛り込んだ,この牧歌的な詩は,ラマルティーヌの絶賛を博し,グノーによってオペラとして紹介され,一躍ミストラルの名声を高からしめた。…
※「ミレイユ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」