日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムスクーリ」の意味・わかりやすい解説
ムスクーリ
むすくーり
Nana Mouskouri
(1936― )
ギリシア出身の女性歌手。アテネに生まれ、当初はアテネ音楽学校でクラシックの歌手を志したが、途中でポピュラー音楽に転向。1960年のギリシア映画『日曜はダメよ』の主題歌の大ヒットで一躍知られるようになり、以後フランスを中心に活動する。非常に美しい声をもち、持ち歌もそうした声を生かした美しい旋律によるものが多い。トレードマークである大きな黒ぶち眼鏡をかけて歌うことでも人気をよんだ。1960年代から80年代にかけても一貫して活動を続け、ボブ・ディランやフリオ・イグレシアスなどとも共演している。74年(昭和49)初来日。代表的な歌唱に『緑の輝き』『太陽とそよ風の下で』『恋の歓(よろこ)び』などがあり、祖国ギリシアの歌にも定評がある。
[田井竜一]