改訂新版 世界大百科事典 「メキシコトビマメ」の意味・わかりやすい解説
メキシコトビマメ
Mexican jumping beans
メキシコハネマメともいう。マメというがマメ科植物ではなく,メキシコ産トウダイグサ科のSebastiania属の植物の種子で,ユウガオの種子くらいの大きさ。3個が一つの塊をなし,一つの種子は2面が平面で外側の1面は円い。暖めたりするとこの種子が動くので古くからjumping seed,Devil's beanなどとも呼ばれ,土産物として,紙に同心円を書き,種々の区画をつくったものを添えて売られている。この種子にはハマキガ科のCarcocapsa salitansというガの幼虫が入っていて,中で動くと種子の円い面と角ばった2面との関係で,軽いマメがすいすいと動いたり,転げたり跳ぶように動くのでおもしろがられる。子どもたちのおもちゃとなるばかりか,おとなたちはこれでかけ事を行うという。植物防疫法により日本では生きたままの持込みを禁止している。
執筆者:長谷川 仁
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報