日本大百科全書(ニッポニカ) 「メトロニダゾール」の意味・わかりやすい解説
メトロニダゾール
めとろにだぞーる
metoronidazole
トリコモナス症の治療に用いられる抗原虫剤。白ないし微黄白色の結晶性粉末で、においはない。内服錠および腟(ちつ)錠が市販されている。いずれも一錠中に250ミリグラムを含有し、内服では1回1錠1日2回服用する。腟錠は1日1回1錠を腟内に挿入する。1クール(1回の治療期間)10~14日とする。トリコモナス腟炎に適用される。また、胃・十二指腸潰瘍(かいよう)、胃癌(いがん)の原因となるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の除去に、プロトンポンプ阻害剤(PPI)、アモキシシリン、クラリスロマイシンの3剤の同時使用による第一次療法が一般的に行われているが、効果のない場合、第二次療法としてクロリスロマイシンのかわりにメトロニダゾールの使用が保険医療上可能となった(2007年8月)。
[幸保文治]