十二指腸潰瘍(読み)じゅうにしちょうかいよう(英語表記)duodenal ulcer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

十二指腸潰瘍
じゅうにしちょうかいよう
duodenal ulcer

胃の出口である幽門から十二指腸の始めの部分のいわゆる十二指腸球部に最も発生しやすい潰瘍。若年者に好発し,また文明国ほど多いといわれる。発生原因,症状は胃潰瘍と共通点が多いが,痛みは食後3時間,すなわち空腹時および夜間に起りやすい。癌化することはないが,穿孔を起すことが胃潰瘍よりも多い。診断は内視鏡検査,X線検査による。X線像では幽門狭窄,十二指腸球部の変形がみられる。多くは内科的に治療できるが,不規則な生活,不安,緊張などによるストレスの多い生活は禁物である。内科的に難治な場合,幽門狭窄のある場合,穿孔のおそれのある場合には手術を要する。

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百科事典マイペディアの解説

十二指腸潰瘍【じゅうにしちょうかいよう】

十二指腸に起こる潰瘍。胃潰瘍とともに消化性潰瘍と呼ばれる。胃の幽門に近い球部に発することが多い。胃潰瘍に比べて,反復発症が多く,若年者に多く生じ,胃酸過多の場合が多い。精神的要因の関連が強く,過労・緊張の持続に際し発症しやすい。近年,ピロリ菌ヘリコバクター・ピロリ)の感染が関与しているとする説が有力となってきた。胸やけ,げっぷ,上腹部痛(特に空腹時)などがある。主として内科的に治療するが,系統的な加療が必要で,香辛料,興奮剤,アルコール,タバコなどは避ける。穿(せん)孔や狭窄(きょうさく)のはなはだしい場合は手術を行う。
→関連項目胃穿孔胃痛潰瘍

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世界大百科事典 第2版の解説

じゅうにしちょうかいよう【十二指腸潰瘍 duodenal ulcer】

胃潰瘍と同様に,胃液が消化管を消化することによって発生する消化性潰瘍。胃の幽門輪を越えた十二指腸入口から約3cmの間,十二指腸球部と呼ばれる部位に発生する。胃で分泌された胃液は十二指腸液や膵液などで中和されるが,球部では中和が不十分のため潰瘍が発生しやすい。十二指腸下行脚から先は胃酸が十分に中和されるために潰瘍は少ない。とくに胃酸分泌が高度の場合には胃潰瘍の約60%くらいの頻度でみられるが,日本では地域差もあり,南に多くさらに都会に多い傾向がある。

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大辞林 第三版の解説

じゅうにしちょうかいよう【十二指腸潰瘍】

十二指腸に潰瘍を生じる疾患。主に胃幽門に近い十二指腸球部にでき、空腹時のみぞおち部疼痛が主症状。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

十二指腸潰瘍
じゅうにしちょうかいよう

胃液にさらされている十二指腸上部壁の組織欠損で、十二指腸球部にもっとも多くみられる。一般には胃潰瘍とともに消化性潰瘍としている。[高橋 淳]

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世界大百科事典内の十二指腸潰瘍の言及

【胃排出機能検査】より

…食欲不振,食後の胃のもたれ,吐き気などの症状は,胃排出能が衰えている場合によくみられる。病気との関係は,胃潰瘍は一般に胃排出が遅れ,食べ物が長時間胃に停滞し,逆に十二指腸潰瘍では胃液酸度が高いにもかかわらず胃排出能が強まっているといわれている。胃排出能をしらべることは,潰瘍をはじめ多くの消化器疾患の成因,治療法の確立,潰瘍の再発予防などに重要である。…

【腹痛】より

…痛みは上腹部から臍部にかけて持続的にみられ,左背部から肩にかけて放散することが多い。膵炎
[穿孔性腹膜炎]
 腹膜炎のうちで最も多いもので,胃潰瘍,十二指腸潰瘍の穿孔によって生じるもので潰瘍部が破れて腹腔内に胃内容や腸内容がもれて広範囲に腹膜炎を起こすものである。それまで潰瘍を有している人に多くみられるが,まったく潰瘍を自覚しなかった人にも突然発病することがある。…

※「十二指腸潰瘍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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