メンデレ・モヘル・スフォリム
Mendele Mocher Sforim
1836 - 1917
イディシュ作家。
ミンスク地方(ロシア)生まれ。
本名ショーロム・ヤコプ・アブラモヴィチ。
最初はヘブライ語で書くが、のちにイディシュを学び、イディシュ文学の建設者となる。ロシア領内のユダヤ人生活を題材とし、特に小説「ベニヤミン三世の旅」(1878年)は有名である。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のメンデレ・モヘル・スフォリムの言及
【イディッシュ文学】より
…19世紀,ユダヤ社会内に近代ドイツ語への転換を図る啓蒙運動が起こったが,東欧ユダヤ人の間ではその反動としてイディッシュ語の洗練化運動が旺盛になり,ユダヤ人の大量東方移動もあって,イディッシュの機能範囲は東欧で大幅に広がった。 近代のイディッシュ文学の基礎を築いたのは,記述言語としての基本文型を確立したメンデレ・モヘル・スフォリムMendele Mocher‐Sforim(1835‐1917)であり,続く[シャローム・アライヘム](1859‐1916),イサク・レイブ・ペレツIsaac Leib Peretz(1852‐1915)の精力的な創作活動を通じて着実な開花,発展を見ることになった。メンデレは《不具者フィシュケ》(1888),《ベンジャミン3世の放浪》(1878)で貧困にあえぐ男や夢想に取り憑かれた男の遍歴譚を描き,ユダヤ社会にわだかまる観念主義や偏見を風刺し,シャローム・アライヘムは《イディッシュ人民文庫》(1888‐89)発行によってユダヤ文学興隆に貢献するとともに,《メナヘム・メンドル》(1892),《牛乳屋テビエ》(1894)など,連作の諸短編でロシア圧政下の小村落に住むユダヤ庶民の姿をユーモアと哀感のあふれる文章で活写し,多数の読者を獲得した。…
※「メンデレ・モヘル・スフォリム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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