日本大百科全書(ニッポニカ) 「メールロ」の意味・わかりやすい解説
メールロ
めーるろ
Claudio Merulo
(1533―1604)
イタリアの作曲家、オルガン奏者。4月8日コレッジョで生まれ、メノンとドナートに師事した。1556年ブレシア大聖堂オルガン奏者となるが、翌57年にはベネチアのサン・マルコ大聖堂オルガン奏者となり、約30年間その地位にとどまり、多数の優秀な弟子を育て、楽譜出版も手がけている。84年ベネチアを去り、おそらくマントバ公に仕えたのち、86年にはパルマ公の宮廷オルガン奏者となる。翌年には同地の大聖堂オルガン奏者を兼ね、さらに91年には同地のステッカータ教会オルガン奏者となり、1604年5月5日に世を去るまで同地にとどまった。同時代者の多くが、彼を当時最大のオルガン奏者と評している。
[樋口隆一]