改訂新版 世界大百科事典 「モセルバーイ」の意味・わかりやすい解説
モセルバーイ
Mosselbaai
南アフリカ共和国南部,西ケープ州の港町。人口1万7000(1970)。英語ではモセル・ベイMossel Bayという。ケープ・タウンから東へ海路246カイリ,鉄道で500kmのインド洋岸にあり,同名の湾を囲む岬の先端の北側に港湾施設をもつ。南からの風波を避けるのに好適な港として,また幾つかの美しい海水浴場のある保養地として知られる。1488年にバルトロメウ・ディアスが初めて立ち寄り,97年にはバスコ・ダ・ガマが寄港,1500年にはペドロ・ダタイデが嵐を避けて上陸した。このように南部アフリカにおいてポルトガル人航海者が最初に上陸した港として,歴史的に重要な町である。ケープ・タウンのテーブル湾で初代インド総督アルメイダたちが殺されたため,ポルトガル人はこの港の方を避難あるいは給水用に好んで利用した。現在の町は1848年に建設された。
執筆者:西野 照太郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報