モンゴル英雄叙事詩(読み)モンゴルえいゆうじょじし(その他表記)Monggol un baatarlig tuulis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モンゴル英雄叙事詩」の意味・わかりやすい解説

モンゴル英雄叙事詩
モンゴルえいゆうじょじし
Monggol un baatarlig tuulis

モンゴル人の間に現在も語り,謡われている口承文芸。モンゴルの口承文芸中,最大のジャンルで,より小さい他のジャンルの作品のほとんどをその部分として含んでいる。『ジャンガル物語』をはじめ,『ハン・ハランゴイ』 Xan Xaranggui,『ボム・エルデネ』 Bum Erdene,『ハイルト・ハル』 Xajrtu Xaraなど,現在までに約 250編が採録されている。小は 300~400行,大は1万~1万 2000行にのぼる作品があり,韻文のみの作品と,韻文と散文による作品に分類される。語り方や,謡い方には地方差や個人差があり,特に西モンゴル地方の楽器伴奏を伴うものと,東モンゴル地方の無伴奏のものとが,きわだった対照を示している。内容は違っても,多くの作品はきわめて類似し,英雄が妃を求めて旅立ち,愛馬の助けで旅中の困難を克服,汗 (王) の城にいたり,姫の求婚者と「男の3つの遊び」 (競馬,相撲,弓技) で対決,姫を妃にして故郷へ帰り,すべての人々と楽しく暮らすというあらすじは共通している。

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