対照(読み)タイショウ

デジタル大辞泉 「対照」の意味・読み・例文・類語

たい‐しょう〔‐セウ〕【対照】

[名](スル)
二つの事物を照らし合わせて比べること。「訳文原文対照する」「対照表」
全く性質の違う物どうしを並べ比べたとき、その違いがきわだつこと。また、その取り合わせ。コントラスト。「明と暗がおもしろい対照をなす」「対照の妙」
[用法]対照・対比――「筆者が違う同一人物の伝記を対照(対比)して読む」「色の対照(対比)が鮮やかだ」など、比べ合わせるの意では相通じて用いられる。◇違いがきわだつの意では「対照」の方が多く使われる。「二人の性格は剛と柔のいい対照だ」「対照の妙」などでは「対比」は用いない。◇「対比」は、二つ以上のものを比べて、その違いをはっきりさせる意で多く使われる。「目標数と達成数を対比したグラフ」◇類似の語「比較」は、比べ合わせて違いを考える意では最も広く使われる。「昨年同期物価と比較する」「比較にならない実力の差」などでは、普通「対照」「対比」は使わない。
[類語]照合対比照らし合わせる比べるする並べる突き合わせる引き合わせる比較する類比するはかりに掛ける見比べる引き比べる引き当てる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「対照」の意味・読み・例文・類語

たい‐しょう‥セウ【対照】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 照らし合わせること。くらべ合わせること。見くらべること。対比。
    1. [初出の実例]「凡和蘭の医書を読んと欲せば、初に先づ字体、音韻〈略〉対照の訳例、兼て薬品の名を会し」(出典:蘭学逕(1810))
  3. 対立する事物を並べたとき、それぞれ特徴があざやかに発揮されて、著しい違いが目立つこと。とりあわせ。コントラスト。
    1. [初出の実例]「厚い濃い緑の葉は、黄い寒菊の小さいのと趣に富んだ対照をなした」(出典:田舎教師(1909)〈田山花袋〉四一)

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普及版 字通 「対照」の読み・字形・画数・意味

【対照】たいしよう

比較。

字通「対」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の対照の言及

【対照実験】より

…ある因子(物質,刺激,温度,食物など)の作用を調べてみる実験の際,研究しようとする因子以外はすべてこの実験と同じ条件にした実験を並行して行い,両実験の結果を比較することが必要である。この後者の実験を対照実験という。対照実験を行わないと,実験で得られた結果がほんとうにその因子の作用によるものかどうか確信が得られない。…

※「対照」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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