日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヤドリカニムシ」の意味・わかりやすい解説 ヤドリカニムシやどりかにむし / 宿蟹虫 節足動物門クモ形綱擬蠍(ぎけつ)目ヤドリカニムシ科Chernetidaeの陸生小動物。この科は世界に400種近くが知られ、よく昆虫、鳥、ネズミなどに付着して発見されるが、これは寄生ではなく便乗で、それらに卵をもった雌が多いのは、子供の分散に役だつようである。オオヤドリカニムシMegachernes ryugadensisは、本州中部以南のネズミやモグラに便乗し、その巣やマルハナバチの巣にみられ、また洞窟(どうくつ)のコウモリ糞(ふん)付近にもよくみかける。冬は落葉土中にみられ、ほかの季節には樹上や昆虫の体表から発見されるものもある。[森川国康] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例