ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユデト書」の意味・わかりやすい解説 ユデト書ユデトしょBook of Judith 旧約聖書に属する一文書。ヘブライ語聖書中にはなく,セプトゥアギンタ (ギリシア訳) とウルガタ (ラテン訳) で伝えられている。プロテスタントはこれを外典とみなすが,ギリシア正教会やカトリック教会では第二正典中に数える。ユダヤ民族がアッシリアに攻められ危機に陥ったとき,一女性ユデトが美貌を利して敵将ホロフェルネスに近づき,その首をはねて民族を勝利に導いたという宗教的物語もしくは注釈で,そのまま史実ではない。バビロン捕囚期以後の作で作者は不明。ギリシア的特徴 (地理的,民族的背景) とペルシア的特徴 (固有名) をあわせもつ。ユデトはのちのキリスト教文芸の題材として好んで取上げられ,特にカトリックでは物語を比喩的に解して,聖母マリアの前兆とする。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by