日本大百科全書(ニッポニカ) 「ユトケビチ」の意味・わかりやすい解説
ユトケビチ
ゆとけびち
Сергей Иосифович Юткевич/Sergey Iosifovich Yutkevich
(1904―1985)
ソ連の映画監督。ペテルブルグ生まれ。少年時代から演劇活動を始め、1921年には前衛的演劇・映画集団「フェクス」に参加。映画では共同監督になる『ラジオを聞け』(1924)を経て、『レース織り』(1928)で一本立ち、以後社会主義リアリズムの『呼応計画』(1932・共同監督)、『銃を持つ人』(1938)、『ウラジミール・レーニンの想い出(ポーランドのレーニン)』(1965)ほか多数の作品を発表したが、国際的には『オセロ』(1955)が有名である。
[岩本憲児]
資料 監督作品一覧
ラジオを聞け[共同監督] Dayosh radio!(1924)
レース織り Kruzheva(1928)
呼応計画[共同監督] Vstrechnyy(1932)
銃を持つ人 Chelovek s ruzhyom(1938)
三つの邂逅 Tri vstrechi(1949)
オセロ Otello(1955)
ウラジミール・レーニンの想い出(ポーランドのレーニン) Lenin v Polshe(1965)
『リュダ&ジャン・シュニッツェル、マルセル・マルタン編、岩本憲児他訳『回想のロシア・アヴァンギャルド――インタヴュー・ソヴィエト映画を築いた人々』(1987・新時代社)』