ヨーロッパ理事会議長(読み)よーろっぱりじかいぎちょう(その他表記)President of the European Council

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヨーロッパ理事会議長」の意味・わかりやすい解説

ヨーロッパ理事会議長
よーろっぱりじかいぎちょう
President of the European Council

ヨーロッパ連合EU)のリーダーとして、EU加盟国を代表する常任職。EU加盟27か国の代表でつくるヨーロッパ理事会の議事進行役で、「EU大統領」ともよばれる。ただ国家元首であるアメリカ大統領のような強大な権限はもたない。2007年調印のリスボン条約が発効して新設されたポストで、ベルギー首相を務めたヘルマン・バン・ロンプイHerman Van Rompuy (1947― )が2009年末、初代のヨーロッパ理事会議長についた。任期は2年半で、再選1回、最長5年間。

 ヨーロッパ理事会議長に相当する役職はヨーロッパ共同体(EC)時代の1975年から置かれていたが、法的根拠がなく、EC加盟国の国家元首や首相が半年交替で務めていた。しかしEUが成立し、加盟国が増えるにつれ、全体の意見をまとめるのに時間がかかるようになった。EUのリーダーとして全体をまとめ、世界に発言していく常任職が必要との判断から理事会議長職が正式に設けられた。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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