日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラシェーズ」の意味・わかりやすい解説 ラシェーズらしぇーずGaston Lachaise(1882―1935) フランス系アメリカ人彫刻家。パリの木工師の子として生まれる。国立美術学校で学んだのち、モデルのイザベルとともに1906年渡米。ボストンからニューヨークに移ってしばらくポール・マンシップの助手を務める。12年から制作を始めた裸婦の連作は20年代に入ってラシェーズ独自の様式へと展開したが、成熟した女体の量感と動感を大胆に誇張した特異な様式は、原初的な生命賛歌を彫刻化したものといえる。ただその強烈な女体表現は当時の社会から反道徳的なものとして批判され、正当な評価を受けるようになったのは第二次世界大戦後である。[桑原住雄] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例