スペイン東部の地中海に面した港町バレンシア(Valencia)旧市街中央部にある、ゴシック様式の歴史的な建造物。◇「ラロンハ」と通称されているが、正式名称は「絹の商品取引所」という意味の「ラロンハデラセダ」(La Lonja de la Seda)で、1482~1533年にかけて商品取引所・貿易会館として建設された、分厚い壁、塔、銃眼を持つ、重厚な石造の建物である。バレンシアは15~16世紀に、絹取り引きを中心とした地中海貿易で栄えた商業都市で、その経済・商業の中心だったのが、このラロンハである。この建物には、ゴシック様式の荘厳な「柱のサロン」と呼ばれる大広間や、海事裁判所が開かれた「海の領事の広間」、礼拝堂などがあり、往時のバレンシアの隆盛を物語っている。現在は、さまざまな催し物や美術品の展示場などとして使われている。