改訂新版 世界大百科事典 「リオブランコ男爵」の意味・わかりやすい解説
リオ・ブランコ男爵 (リオブランコだんしゃく)
José Maria da Silva Paranhos, Jr.barão do Rio Branco
生没年:1845-1912
ブラジルの外交官,政治家,歴史家。上院議員リオ・ブランコ子爵(1819-80)の子。1866年に法科大学を卒業,このとき最初の著作《プラタ戦争の挿話》を出版し,以後《三国同盟戦争》《ブラジル軍部史》など多くの歴史書を著した。69年から75年まで下院議員。その間の70年に敗戦国パラグアイへの特使に書記の資格で同行し,外交官としての第一歩を踏み出した。76年にイギリスのリバプール総領事に就任し同地で歴史・地理研究に専念した。80年王室顧問官となり名誉勲位を受け,88年男爵に叙せられた。共和政樹立後は全権公使として95年アルゼンチン,1900年フランス領ギアナとの国境条約を成功させた。02年以降没年まで外相を4期務め,05年のリオ大司教の南アメリカ初の枢機卿就任や06年のリオ・デ・ジャネイロでの第3回パン・アメリカ会議開催など,華やかな外交活動を展開し,ブラジルの国際的評価を高めた。
執筆者:住田 育法
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報