リャブシンスキー家(読み)リャブシンスキーけ

改訂新版 世界大百科事典 「リャブシンスキー家」の意味・わかりやすい解説

リャブシンスキー家 (リャブシンスキーけ)

ロシアの工業家,銀行家一族。カルーガ県の農民身分出身。19世紀中葉,いくつかの小繊維工場を所有していたが,1869年綿紡工場を買収して成長した。同時に信用業務にも従事し,1900年ハリコフ土地銀行を買収。02年にはリャブシンスキー兄弟銀行を創設し,それを12年モスクワ銀行に改編した。第1次世界大戦期には林業,金属加工業にも手をのばし,財閥型のコンツェルンとなった。最後の家主パーベル・リャブシンスキーPavel Pavlovich Ryabushinskii(1871-1924)はコノワーロフとともにブルジョアジーの左翼化を代表する人物で,新聞《ロシアの朝》を出し,モスクワ戦時工業委員会会長をつとめた。弟ニコライは象徴主義の文芸誌《黄金羊毛》の発行人。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 高田

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android