改訂新版 世界大百科事典 「コノワーロフ」の意味・わかりやすい解説
コノワーロフ
Aleksandr Ivanovich Konovalov
生没年:1875-1948
帝政ロシアの政治家,巨大繊維工場主。コノワーロフ家はモロゾフ家などと同様,先祖が自ら金を払って農奴身分から商人身分となり,綿工場経営で成功したロシアの代表的民族ブルジョアジーである。アレクサンドルはイギリスで高等教育を受け,政治に意欲をもち,〈進歩党〉を組織して,第4国会の議員となったが,ロシアの民主的変革のための超党派の結束をはかって,ケレンスキーらとフリーメーソン形式の秘密結社をつくったといわれる。第1次大戦中には,中央戦時工業委員会をつくり,その副会長として労働運動との結びつきをもねらった。二月革命後は臨時政府で商工大臣となり,さらにケレンスキーの最後の連立内閣では副首相をつとめた。十月革命時,逮捕されたが,やがてフランスに亡命し,自らの行動には完全な沈黙を守ったままニューヨークで死去した。
執筆者:高田 和夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報