リンディスファーンの書(読み)リンディスファーンのしょ(その他表記)Book of Lindisfarne
Lindisfarne Gospels

改訂新版 世界大百科事典 「リンディスファーンの書」の意味・わかりやすい解説

リンディスファーンの書 (リンディスファーンのしょ)
Book of Lindisfarne
Lindisfarne Gospels

アイルランド・サクソン系大型福音書装飾写本の初期の作品。7世紀末の制作。〈聖なる島Holy Island〉として知られるイギリス中部ノーサンバーランド東岸,リンディスファーン島にアイルランド修道士エーダンAidanが創設した修道院に8世紀末まで伝わった。大きさは34cm×25cmで,659葉を数える。10世紀末にアルドレッドによって付加された奥付によれば,テキストは修道院長イードフリスEadfrith(在位698-721)によって書かれたというが,装飾もまた同院長の手になるものとされる。装飾モティーフにはケルト系らせん文,ゲルマン系動物組紐文,地中海系福音記者像等,多様な源泉が合流している。アルドレッドがラテン語テキスト行間に加えたアングロ・サクソン語(古英語)による逐語訳は,最古の福音書英訳として知られる。現在,ブリティッシュ・ライブラリー蔵。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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