レオノチス(その他表記)lion's ear
Leonotis

改訂新版 世界大百科事典 「レオノチス」の意味・わかりやすい解説

レオノチス
lion's ear
Leonotis

シソ科カエンキセワタ属Leonotis植物の総称一年草もしくは多年草で,種類によっては低木状となるものもある。南アフリカに約20種を産する。葉は卵形披針形で,有柄か無柄。花は白か橙色で,葉腋(ようえき)に密に輪生し,花筒部は萼と同長である。美しい花を咲かせるものが,レオノチスの名で観賞用に栽培される。

 カエンキセワタL.leonurus R.Br.(英名lion's tail)は南アフリカ原産。高さは1~2mとなり,よく分枝する。低木状の多年草で,茎は下部が木質化し,上部は草質で,細かい毛でおおわれる。葉は披針形か長楕円状披針形,毛でおおわれる。花は赤黄か橙赤色で美しく,花冠は長さ4~5cm。花期は日本では10~12月ごろ。このほかケカニアL.nepetaefolia R.Br.も栽培される。高さ1~1.5mで黄ないし橙赤色の小花を多数つけ,宿存する萼がおもしろいのでドライフラワーとして使われる。

 栽培するときは,冬は最低3~5℃を保ち,夏の間は戸外日当りに置く。夏は水を十分にあたえるが,秋以降は少し乾かし気味にする。繁殖は挿木で,5~6月ごろ行う。種子でふやすこともできる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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