レシデンシア(その他表記)residencia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レシデンシア」の意味・わかりやすい解説

レシデンシア
residencia

スペイン植民地における不正防止を目的とした執務調査法廷。副王,総督長官など高級官僚退任の際,義務づけられた任期中の行為の再審査機関。本来よりよい行政を意図したもので,罰金投獄,財産没収などの処罰を伴うきびしいものであったが,現実には裁判官が買収され,本国政府もときには腐敗を黙認したため,植民地官僚は私腹を肥やす者が多かった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のレシデンシアの言及

【副王制】より

…このように行政区分の最上位に当たる副王領は広大な地域を含んでいたので,当時の交通・通信手段では統治は困難を極めた。その結果,やがてもっと狭い行政単位,つまり総監領(カピタニア・ヘネラルcapitania general)と長官領(プレシデンシアpresidencia)が設置されることになる。 副王は管轄区内で君主の直接の代表として最高権力を行使した。…

【ラテン・アメリカ】より

… スペイン王室は官吏の義務遂行を図るためさまざまな規則を作成した。レシデンシアと呼ばれる執務監察制度は官吏の任期末に行われる公聴会のようなもので,だれでも判事に対し当該官吏の不正行為を訴えたり,証言したりすることができた。それ以外にビシタ(巡察)と呼ばれる制度があり,これは国王もしくは副王に特別に任命された官吏(ビシタドール)が予告なしに行う役人の行動調査であった。…

※「レシデンシア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む