罰金(読み)ばっきん(英語表記)Geldstrafe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

罰金
ばっきん
Geldstrafe

一定額の金銭国庫に納付すべきことを内容とする財産刑をいう (刑法9) 。日本ではその金額は1万円以上 (15条) とされている。罰金を完納しえない者は,1日以上2年以下の期間内,労役場に留置される (刑法 18条1項) 。罰金は,比較的軽微な犯罪に対応する刑罰として重要な機能を果し,短期自由刑の代替的機能を有する制度としての刑事政策的意義も重視される。

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百科事典マイペディアの解説

罰金【ばっきん】

刑法の規定する主刑の一つで,財産刑のうちで最も重要なもの。その額は1万円以上。ただし減額するときは1万円未満に下げることができる(刑法15条)。罰金を完納することができない者は1日以上2年以下の期間,労役場に留置する(刑法18条1項)。→刑罰罰金等臨時措置法
→関連項目過料執行猶予ストーカー規制法

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デジタル大辞泉プラスの解説

罰金

英国の作家ディック・フランシスのミステリー(1968)。原題《Forfeit》。競馬界を舞台にしたシリーズの第7作。アメリカ探偵作家クラブ賞(MWA賞)長編賞受賞(1970)。

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世界大百科事典 第2版の解説

ばっきん【罰金】

日本の刑法は,1万円を境として,1000円以上1万円未満の科料と,1万円以上の罰金とを分けている(15条,17条)が,罰金の語は両者をあわせて,制裁的な意味をもつ金銭剝奪である財産刑の総称としても用いられ(以下ではおおむね罰金刑と表示する),刑罰簡明化などを根拠に罰金刑単一化の主張もある。 古代における贖罪金は刑罰の源流の一つともされるが(贖罪),中世においては死刑や身体刑,その後も流刑や自由刑の背後にあった罰金刑が再び脚光を浴びたのは19世紀後半に至ってである。

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大辞林 第三版の解説

ばっきん【罰金】

罰として取り立てる金。制裁金。 「 -を払う」 「サインの見落としは-ものだ」
刑法の定める刑罰の一。一万円以上。科料より重い財産刑。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

罰金
ばっきん

犯罪者の財産的利益の剥奪(はくだつ)を内容とする刑罰であり、ヨーロッパ法制の導入以前にはなく、1880年(明治13)公布の旧刑法で初めて定められた。現行刑法は、罰金を1万円以上とし、1万円以下に減軽することもできるとしている(刑法15条)。旧刑法では最下限を20円と定めていたが、1948年(昭和23)の罰金等臨時措置法で50倍の1000円に引き上げられ、1972年には200倍の4000円に、さらに1991年(平成3)の刑法改正および罰金等臨時措置法改正により500倍の1万円となった。罰金とともに財産刑の一つである科料は、1000円以上1万円未満で、金額により区別される。罰金を完納できない者は、1日以上2年以下の期間、刑事施設に付置されている労役場に留置され、労働を科せられる(刑法18条、刑事収容施設法287条)。罰金刑は、自由を拘束することなく、経済的な損失を与えることによって、懲罰的、威嚇的効果をあげることを目的とする。比較的軽微な犯罪については、短期自由刑の弊害を避けるための刑罰として有用視され、刑罰中もっとも主要な役割を果たしている。しかし、罰金刑に教育的効果を期待することはできず、貧富の差によって負担に不公平な結果を生じることにもなっている。とはいえ、刑事責任とは無関係な経済状態に応じて罰金を言い渡すということは不都合である。そこで、責任に応じて罰金日数を算定し、そのうえで、犯罪者の経済状態に応じて1日分の罰金額を定めるという方法で罰金刑を言い渡す日割罰金制が考えられ、北欧、中南米、ドイツ、スイスなどで法制化されてきた。日本でも、改正刑法草案の立案過程で導入が検討されたが、最終的には採用されなかった。[大出良知]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ばっ‐きん【罰金】

〘名〙
① 罰として納めさせる金銭。制裁のために取り立てる金銭。罰銀。〔文明本節用集(室町中)〕
※大内氏掟書‐二四条・文明七年(1475)一一月一三日「一 朝夕入堂衆徒懈怠之時罰金、前々者雖朝弐銭夕壱銭」 〔史記‐張釈之伝〕
② 刑法の規定する主刑の一つ。財産刑の代表的なもので、額は一万円以上とされている。罰金を完納できないときは一日以上二年以下の期間、労役場に留置される。罰金刑。
※東京新繁昌記(1874‐76)〈服部誠一〉四「一たび衣着を脱すれば則ち直に罸金に遇ふ」

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世界大百科事典内の罰金の言及

【刑事政策】より

… 犯罪にどのような刑事制裁を規定することによって対処すべきかということについては,さまざまな議論が積み重ねられてきた。日本の刑法は,刑として,死刑,懲役,禁錮,罰金,拘留,科料(以上は主刑),没収(付加刑)を規定している。生命刑である死刑については,それを存置すべきかが問題となる。…

【刑罰】より

…やがて,フランス刑法を範とした旧刑法(1870公布)は,きわめて多様な自由刑を認めたために,刑名も多くなった。死刑,徒刑,流刑,懲役,禁獄(以上,重罪の主刑),禁錮,罰金(以上,軽罪の主刑),拘留,科料(以上,違警罪の主刑),および,剝奪公権,停止公権,禁治産,監視,罰金,没収(以上,付加刑)がそれであった。現行刑法(1907公布)は,刑の種類をはるかに制限し,徒刑(とけい),流刑(いずれも,犯罪人を離島などの遠隔地に送致し,その地において有期または無期間滞在させる刑。…

【村八分】より

…中世の惣村((そう))の掟にも制裁に関する条項がみられ,近世の村法(そんぽう)や明治以降の村規約の中にも多く発見できる。 制裁の種類としては,罪の軽い順で罰金,絶交,追放という三つがある。もっとも広範に現在なお行われているのは罰金であるが,その歴史は古い。…

【量刑】より


[量刑の手順]
 実際の量刑判断の手順をみると,まず,各法条に規定されている刑(法定刑という。死刑,懲役,禁錮,罰金,拘留,科料の6種のほか,付加刑たる没収がある)が一種であれば問題ないが,複数の刑種が選択的に規定されている(ときには併科規定もある)場合には,そのどれかが選択される。次いで,(1)再犯加重,(2)法律上の減軽,(3)併合罪加重,(4)酌量減軽の順によって加重減軽がほどこされる(刑法72条)。…

※「罰金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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