レルー(読み)れるー(その他表記)Alejandro Lerroux y García

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レルー」の意味・わかりやすい解説

レルー
れるー
Alejandro Lerroux y García
(1864―1949)

スペインの政治家。コルドバ県に生まれる。のちにバルセロナに移り、法律関係の仕事をしながら教権主義とカタルーニャ自治主義批判を行って政治家として名をあげ、1901年に国会議員となった。1908年にサンタンデルで共和急進党通称、急進党)を結成、その共和主義的主張によって翌年一時国外にあったが、その後政治的にはしだいに穏健化した。急進党はとくにバルセロナで政治的地歩を築いた。1930年、共和革命委員会に加わり、翌1931年の王制崩壊後、第二共和政の共和派・社会党政権の外相となった。同年末、その保守的主張のため閣外に去るが、その後、1933~1935年の間の右派政権のもとで6回首相を務めた。しかし、1935年、収賄事件に絡む政治スキャンダルで失墜スペイン内戦中はポルトガルに逃れ、1947年に帰国したが、1949年6月マドリードで死去した。

[深澤安博]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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