レンズマン・シリーズ（読み）れんずまんしりーず（その他表記）Lensman Series

日本大百科全書(ニッポニカ)

レンズマン・シリーズ
れんずまんしりーず
Lensman Series

スペース・オペラの父といわれるアメリカの作家E・E・スミスの代表作。初期の代表作「スカイラーク・シリーズ」に対し後期を代表するもので、発表期間は1934年から60年。第一巻『銀河パトロール隊』以下全七巻のシリーズ。宇宙を支配する超生物アリシア人（善）とエッドール人（悪）は、地球という小さな惑星上にその決戦場を求める。アトランティス大陸の陥没やローマ帝国の没落、さらに二つの世界大戦を背後で操ったのも彼らである。しかし、こうした大宇宙の真相は知らされぬままに、今日も銀河文明の守護者であり、宇宙のFBIである銀河パトロール隊の精鋭、レンズマンは活躍している。彼らは特殊な能力と装備をもち、超光速パトロール艇を駆って宇宙海賊ボスコーンを追跡、率いるのはヒーロー、キムボール・キニスンである。敵艦発見と同時に宇宙の一角で、手に汗握る死闘が展開する。ボスコーンとは人間なのか、異生物なのか？興味津々の物語である。

［厚木　淳］

『小西宏・小隅黎訳『レンズマン・シリーズ1～7』（創元推理文庫）』

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)