初恋(読み)ハツコイ

デジタル大辞泉 「初恋」の意味・読み・例文・類語

はつ‐こい〔‐こひ〕【初恋】

生まれて初めての恋。
[補説]書名別項。→初恋
[類語]恋愛愛恋あいれん恋情れんじょう恋慕れんぼ思慕しぼ眷恋けんれん色恋いろこい慕情ぼじょう恋心狂恋悲恋片恋片思い岡惚れ横恋慕失恋ラブアムールアモーレロマンス

はつこい【初恋】[書名]

嵯峨の屋お室短編小説。明治22年(1889)、文芸誌「都の花」に発表。明治24年(1891)刊行の作品集「新編千草」に収録ツルゲーネフによる同名の短編小説の影響がみられる。
島崎藤村の詩。明治30年(1897)刊行の「若菜集」に収録。

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精選版 日本国語大辞典 「初恋」の意味・読み・例文・類語

はつ‐こい‥こひ【初恋】

  1. 〘 名詞 〙 はじめて異性に恋の気持を起こすこと。はじめての恋。
    1. [初出の実例]「初恋(ハツコヒ)とはみても聞ても思ひそむる始の心をいふ也」(出典:浮世草子小夜衣(1683)四)
    2. 「葉子は木部が魂を打ちこんだ初恋の的だった」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉前)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「初恋」の意味・わかりやすい解説

初恋
はつこい
Первая любовь/Pervaya lyubov'

ロシア作家ツルゲーネフの短編小説。1860年発表。16歳の少年「私」が大学の受験準備をしながら、両親と暮らしている。貧しいが、若くて美しい令嬢のいる公爵一家が隣へ越してきて、少年一家と知り合いになる。少年は令嬢ジナイーダを恋するが、あるとき、ジナイーダが自分の父の愛人であることを知り、初恋はあえなくついえる。異性へのほのかなあこがれに目覚めていく少年のナイーブな心。その心の展開が完璧(かんぺき)なまでに美しく、リアルに描かれている。少年はまた、大ぜいの取り巻きのなかから、えりにえって妻子ある中年男を選んだジナイーダを通して、恋というもののもつ摩訶(まか)不思議を思い知らされる。自伝的な作品である。

[佐々木彰]

『神西清訳『はつ恋』(新潮文庫)』『佐々木彰訳『初恋』(講談社文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「初恋」の意味・わかりやすい解説

初恋
はつこい
Pervaya lyubov'

ロシアの作家 I.ツルゲーネフの短編小説。 1860年発表。作者自身の少年時代の心的体験に基づいて書かれたもので,ツルゲーネフの家庭環境女性観を知るうえで重要。ツルゲーネフ中期の円熟した筆致に,抒情性が漂い,恋愛小説古典となっている。

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デジタル大辞泉プラス 「初恋」の解説

初恋〔ドラマ〕

韓国テレビドラマ。1996年9月放映開始(全66話)。出演は、イ・スンヨン、チェ・スジョン、ペ・ヨンジュンほか。

初恋〔曲名〕

日本のポピュラー音楽。歌はシンガーソングライター、村下孝蔵。1983年発売。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「初恋」の解説

初恋
はつこい

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
明治37.1(東京・市村座)

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世界大百科事典(旧版)内の初恋の言及

【ツルゲーネフ】より

…《けむり》(1867)で改革のから騒ぎへの幻滅を示し,《処女地》(1877)で〈民衆の中へ〉の運動の悲劇を書いた。《アーシャ》(1858),《初恋》(1860),《春の水》(1872)などの美しい自伝的作品もある。《散文詩》(1882)は哲学と人間の主題の晩年の郷愁の詩である。…

※「初恋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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