デジタル大辞泉 「初恋」の意味・読み・例文・類語
はつ‐こい〔‐こひ〕【初恋】
[補説]書名別項。→初恋
[類語]恋・恋愛・
ロシアの作家ツルゲーネフの短編小説。1860年発表。16歳の少年「私」が大学の受験準備をしながら、両親と暮らしている。貧しいが、若くて美しい令嬢のいる公爵一家が隣へ越してきて、少年一家と知り合いになる。少年は令嬢ジナイーダを恋するが、あるとき、ジナイーダが自分の父の愛人であることを知り、初恋はあえなくついえる。異性へのほのかなあこがれに目覚めていく少年のナイーブな心。その心の展開が完璧(かんぺき)なまでに美しく、リアルに描かれている。少年はまた、大ぜいの取り巻きのなかから、えりにえって妻子ある中年男を選んだジナイーダを通して、恋というもののもつ摩訶(まか)不思議を思い知らされる。自伝的な作品である。
[佐々木彰]
『神西清訳『はつ恋』(新潮文庫)』▽『佐々木彰訳『初恋』(講談社文庫)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
…《けむり》(1867)で改革のから騒ぎへの幻滅を示し,《処女地》(1877)で〈民衆の中へ〉の運動の悲劇を書いた。《アーシャ》(1858),《初恋》(1860),《春の水》(1872)などの美しい自伝的作品もある。《散文詩》(1882)は哲学と人間の主題の晩年の郷愁の詩である。…
※「初恋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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