初恋
はつこい
Первая любовь/Pervaya lyubov'
ロシアの作家ツルゲーネフの短編小説。1860年発表。16歳の少年「私」が大学の受験準備をしながら、両親と暮らしている。貧しいが、若くて美しい令嬢のいる公爵一家が隣へ越してきて、少年一家と知り合いになる。少年は令嬢ジナイーダを恋するが、あるとき、ジナイーダが自分の父の愛人であることを知り、初恋はあえなくついえる。異性へのほのかなあこがれに目覚めていく少年のナイーブな心。その心の展開が完璧(かんぺき)なまでに美しく、リアルに描かれている。少年はまた、大ぜいの取り巻きのなかから、えりにえって妻子ある中年男を選んだジナイーダを通して、恋というもののもつ摩訶(まか)不思議を思い知らされる。自伝的な作品である。
[佐々木彰]
『神西清訳『はつ恋』(新潮文庫)』▽『佐々木彰訳『初恋』(講談社文庫)』
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はつこい【初恋】[書名]
1 嵯峨の屋お室の短編小説。明治22年(1889)、文芸誌「都の花」に発表。明治24年(1891)刊行の作品集「新編千草」に収録。ツルゲーネフによる同名の短編小説の影響がみられる。
2 島崎藤村の詩。明治30年(1897)刊行の「若菜集」に収録。
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初恋
はつこい
Pervaya lyubov'
ロシアの作家 I.ツルゲーネフの短編小説。 1860年発表。作者自身の少年時代の心的体験に基づいて書かれたもので,ツルゲーネフの家庭環境と女性観を知るうえで重要。ツルゲーネフ中期の円熟した筆致に,抒情性が漂い,恋愛小説の古典となっている。
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はつ‐こい ‥こひ【初恋】
〘名〙 はじめて異性に恋の
気持を起こすこと。はじめての恋。
※浮世草子・小夜衣(1683)四「初恋(ハツコヒ)とはみても聞ても思ひそむる始の心をいふ也」
※或る女(1919)〈有島武郎〉前「葉子は木部が魂を打ちこんだ初恋の的だった」
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初恋
韓国のテレビドラマ。1996年9月放映開始(全66話)。出演は、イ・スンヨン、チェ・スジョン、ペ・ヨンジュンほか。
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