日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロシュマン」の意味・わかりやすい解説
ロシュマン
ろしゅまん
Eduard Roschmann
(1908―1977)
ナチス親衛隊(SS)将校。オーストリア生まれ。1941年リガ(ラトビア)強制収容所長に任命され、1944年までに数万のユダヤ人を虐殺して恐れられた。敗戦後偽名を用いてアルゼンチンに逃亡していたが探知され、1977年7月旧西ドイツ政府からアルゼンチンに対し逮捕が要請された。しかし翌8月パラグアイの病院で急死患者としてロシュマンの死が報じられ、一時は疑惑がもたれたが国際刑事警察機構の調査で指紋が一致し、死亡が確認された。フレデリック・フォーサイスの小説『オデッサ・ファイル』(1972)はロシュマンの逮捕劇に先だち、逃亡、潜伏、追跡を実録風に描いて話題をよんだ。
[藤村瞬一]
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