ロラン夫妻(読み)ロランふさい

改訂新版 世界大百科事典 「ロラン夫妻」の意味・わかりやすい解説

ロラン夫妻 (ロランふさい)

フランスの政治家夫妻。夫ジャン・マリーJean-Marie Roland de la Platière(1734-93)は,フランス南部ロレーヌ県に生まれ,リヨンの絹織物工業検査官となる。彼が1780年に結婚したマノン・フィリポンJeanne-Marie(またはManon Philipon)Roland de la Platière(1754-93)はパリの彫刻師でブルジョアの家庭に生まれ,少女時代から啓蒙思想に心酔し,才媛とうたわれていた。フランス革命勃発後,夫はリヨンで政治活動に入るが,91年,妻とともにパリに出てジロンド派の政治家と親交を結び,92年3~6月,および92年8月~93年1月の2度,内務大臣を務めた。その間夫人はサロンを主催し,ジロンド派の政策に影響を与えたといわれている。しかしロラン対外戦争における敗北主義や反革命に対する妥協的姿勢は,ジャコバン派民衆の批判を招き,93年,国民公会から追放され,ルーアンに逃れた。夫人は93年秋に処刑され,逃亡中にそれを知った夫も自殺した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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