…87年4月,ベートーベンの訪問を受け,翌5月末父親を失う。この年には《ト短調弦楽五重奏曲》(K.516)のような短調作品が生み出される一方,《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》(K.525)のような晴れやかな名曲も書かれている。名作《ドン・ジョバンニ》(K.527)はこの年の作品であるが,ドン・フアン伝説によるこのイタリア語オペラは,主人公の死を扱う点や劇的表現の点でいわゆるオペラ・ブッファ(喜歌劇)の域を越え出ている。…
※「アイネクライネナハトムジーク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...