アオリスト(その他表記)aorist

翻訳|aorist

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アオリスト」の意味・わかりやすい解説

アオリスト
aorist

古代ギリシア語やサンスクリット語などの動詞アスペクト一つ。完了・継続反復といった様相と無関係に,単に一つの出来事として動作・現象を示すもの。古代ギリシア語 gráphō (私は書く) の直説法アオリスト égrapsaは「私は書いた」という出来事を単純に一つの出来事として示し,未完了の égraphon (私は書いていた,書こうとしていた,など) と対立する。このように直説法では過去の出来事を表わすのが普通なので,普通は時制の一つとして扱われる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアオリストの言及

【サンスクリット】より

…動詞の時制は現在と未完了(語幹は同じで語尾が異なる。例:bhavati〈彼は…である〉,未完了abhavat),アオリスト(無限定過去。abhūt),完了babhūvaのほか,二次的に未来形bhaviṣyatiもつくられる。…

※「アオリスト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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