化学辞典 第2版 「アシロイン縮合」の解説
アシロイン縮合
アシロインシュクゴウ
acyloin condensation
カルボン酸エステルが,トルエンやキシレン還流条件下,金属ナトリウムの作用で還元的二量化を起こし,α-ヒドロキシケトン(アシロイン)を生成する反応.エステルがナトリウムにより1電子還元されてラジカルアニオンを生成し,二量化が起こり,さらに脱離,還元と続く.ジカルボン酸ジエステルの分子内アシロイン縮合は,環状アシロインが生成することから,とくに中~大環状(十員環以上)化合物の合成に活用されている.最近は,トリメチルクロロシランを共存させ,ジアニオン中間体を安定な1,2-ビス(トリメチルシロキシ)エテンとしていったん捕そくし,合成収率を高める改良アシロイン法が利用されることが多い.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報