アジャイル開発(読み)アジャイルカイハツ

デジタル大辞泉の解説

アジャイル‐かいはつ【アジャイル開発】

agile development》ソフトウエアやコンピューターシステムの開発手法の一。顧客の要求案件や経営環境の変化に対し、俊敏かつ柔軟に対応することに主眼を置く。アジャイルソフトウエア開発

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵の解説

アジャイル開発

システム開発における開発モデルの一つであり、開発対象となるシステムを、小さな単位に分割し、短期間で完成させる手法。
従来の開発モデルの代表的なものには、「ウォーターフォール」モデルがある。ウォーターフォールは「滝」を意味し、同モデルでは、滝の水が上から下へ落ちるようにシステム開発を進めていく。開発工程には、要件定義、設計、プログラミング、テストといった順番があるが、同モデルでは、滝の水のように、上流工程から下流工程へと進む。そのため、プログラミングやテストの工程で、要件定義が不十分だったことが判明したり、設計の変更が必要になったりしても、後戻りができない。
アジャイルには、「素早い」や「機敏な」という意味がある。アジャイル開発では、システムをいくつかの機能に分割し、1週間から1カ月といった短期間で、ユーザーが重要とみなす機能から順に作り上げていく。ユーザーを巻き込み、分割した機能ごとでユーザーの要件を反映させながら、開発を進めていくため、ウォーターフォールでは不可能だった、設計の変更や後戻りができる点が特徴の一つとなる。アジャイル開発では、分割した機能の開発を、「計画」「設計」「プログラミング」「テスト」といった工程で構成された、イテレーション(iteration)と呼ばれるサイクルで進めていく。イテレーションは「反復」を意味し、アジャイル開発では、設計の変更などを予想して、イテレーションを繰り返し、イテレーションごとでユーザーの要望に柔軟に対応しながら、ユーザーと開発者のシステムの仕様などに関する認識のズレを修正し、システムを作り上げていく。
技術の進歩が目まぐるしいウェブ業界やモバイル分野などでは、システム開発の途中で、利用技術の変更に伴う、仕様の変更や追加などが想定されるため、それらに柔軟に対応できるアジャイル開発が向いているとされる。

(横田一輝 ICTディレクター/2019年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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