1952年にヒンソンらによって、血液および痰のなかに白血球のひとつである
①アスペルギルスに対する特異的IgE抗体を介した気管支喘息(ぜんそく)、②
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は健康な人にも発症しうることが報告されていますが、多くの場合、もともと気管支喘息のある患者さんに続発するので、喘息の合併症としてとらえるべきです。しかし、なぜ一部の喘息患者だけがアレルギー性気管支肺アスペルギルス症に進展するのかは、わかっていません。
幼児~高齢者まですべての年齢層で報告されていますが、診断時の年齢は大半は40歳以下で、平均25.5歳という報告があります。女性に男性よりやや多くみられます。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症が喘息患者にどの程度の頻度でみられるのか、正確にはわかっていませんが、米国ではステロイド依存性喘息患者の10%にみられ、また喘息患者の28%がアスペルギルスに対する皮膚反応が陽性であるといわれています。
気管支喘息のある患者さんに発症することが多いので、喘息症状の増悪が認められます。発作性の咳や、
症状は基礎疾患である気管支喘息の程度にもよりますが、1週間~年余にわたる場合があります。
喘息症状、胸部X線所見、皮膚反応、血液中好酸球の増加、血清総IgE値の上昇などが重要です。
ほとんどのヒトは、アスペルギルスに対する即時型皮膚反応が陽性です。ステロイドの投与を受けていない場合には、未梢血好酸球数は少なくとも白血球数の8%以上と増加しています。
喀痰中の好酸球の増加がみられます。治療していない人の約半数以上の痰のなかにアスペルギルスが検出され、呼吸機能障害も認めます。胸部X線所見で最も多くみられるのは、一過性、移動性もしくは固定性のびまん性陰影で、病変の活動性と相関するとされています。
できるだけ早期に発見し、不可逆な変化である気管支拡張症や肺線維症を残さないようにすることが大切です。その他、合併している気管支喘息のコントロールや、気管支拡張症や肺線維症の管理が主体となります。ステロイド薬の投与が最も効果的です。
相良 博典
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
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