アーベルの定理(読み)アーベルのていり(英語表記)Abel's theorem

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アーベルの定理」の意味・わかりやすい解説

アーベルの定理
アーベルのていり
Abel's theorem

数多くあるアーベル定理といわれるもののうち,次の諸定理がよく知られている。 (1) 一般の n 次方程式は,n≦4 の場合は代数的に,すなわち四則計算と開法の5演算を有限回施して解けるが,n≧5 の場合は,代数的に解けない (ルフィニ=アーベルの定理) 。 (2) べき級数 Σanxn は,(a) 変数 x のすべての値に対して収束するか,(b) x の0以外のすべての値に対し発散するか,(c) ある正の数 R があって,|x|<R では絶対収束,|x|>R では発散するかのいずれかである。この R収束半径であって,収束範囲内の有界閉区間では,収束は一様である。 (3) 関係 f(x) を表わすべき級数が b で収束しその和が s なら,xb のとき f(x) は s に収束する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android