翻訳|variable
数学のある一つの問題の研究中において変化しうる量を表す文字を変数といい,変化しない量を表す文字を定数という。歴史的にみると,関数とは,たとえばy=ax2+bx+c,y=ex,y=sin xのような式で表されるものとされていたので,これらの例ではx,yは変数であり,xの変化に従ってyが変化すると考えるとき,xを独立変数といい,yを従属変数という。現代の関数概念では,一つの集合Xの要素xに他の集合Y(=Xでもよい)の要素yを対応させる対応関係をy=f(x)と書いて,yはxの関数であるというが,この場合もx,yを変数と呼ぶ。ここでX,Yは〈数〉の集合でなくてもよい。この立場から,現在では一般に,与えられた集合の任意の要素を代表する文字xを変数と呼ぶ。
→関数 →定数
執筆者:伊藤 清三
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いろいろな値をとって変わる数量を表している文字を変数という。これに対して、ある数値、あるいは一定の値を表している文字を定数という。普通、変数を表すにはx、y、z、……のようなアルファベットのあとのほうの文字を、定数を表すにはa、b、c、……のように初めのほうの文字を用いることが多い。しかし、これは習慣上の問題であり、そうしなければならないという決まりがあるわけではない。
x、y二つの変数について、xのほうが主体的に変化する数で、yのほうは、xに「伴って変わる量」になっていることがある。このとき、xを独立変数、yを従属変数(xの関数)という。独立変数、従属変数はいくつあってもかまわない。変数が実数の値しかとらないとき実変数、複素数値もとるとき複素変数という。関数の性質を調べるとき、微分積分法は実変数の関数についての議論であり、複素変数としての微分積分法の議論を展開するときは、関数論(複素変数関数論、複素関数論ともいう)とよばれる分野となる。以上は原義的な変数の意味であるが、近年は、一つの集合を考察しているとき、その集合の要素を一般的に表す文字をも変数とよぶようになっている。
[竹之内脩]
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…ある一つの問題の研究中において変化しないと考える量を表す文字を定数といい,変化しうると考える量を表す文字を変数という。例えば二次関数を表す式y=ax2+bx+cにおいてa,b,cは定数でありx,yは変数である。…
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