イナエフ(読み)いなえふ

日本歴史地名大系 「イナエフ」の解説

イナエフ
いなえふ

ムカワ川中流域にあるアイヌ語に由来する地名。当地一帯は近代に入り似湾にわん村に包含された。仮名表記は「イナエフ」(「戊午日誌」武加和誌)、「イナヱフ」(廻浦日記)のほか「いなえふ」(東蝦夷地場所大概書)、「イナヱツ」(木村「蝦夷日記」)、「イナユフ」(玉虫「入北記」)、「イナユウ」(板本「東蝦夷日誌」)などもある。漢字表記では「稲悦」(木村「蝦夷日記」)がみられる。語義について松浦武四郎は「其名義は昔しより何の故にか、此村の川端えイナホを立しによつて号しとかや。イナホウシの転じたるよし也」(「戊午日誌」武加和誌)と述べる。木村「蝦夷日記」に「イナヱツ」のニセトク宅に「熊あり」と記される(寛政一〇年一二月一三日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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