イワーノフ・ラズームニク(読み)いわーのふらずーむにく(英語表記)Иванов-Разумник/Ivanov-Razumnik

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

イワーノフ・ラズームニク
いわーのふらずーむにく
Иванов-Разумник/Ivanov-Razumnik
(1878―1946)

ロシアの文芸批評家。本名はРазумник Васильевич Иванов/Razumnik Vasil'evich Ivanov。貴族の家庭に生まれ、ペテルブルグ大学数学科を卒業後、左翼SR(エスエル)系の評論家としてデビュー。ナロードニキ主義の立場からマルクス主義に対抗し論陣を張る。十月革命後ブロークらと論文集『スキタイ人』(1917)を発行したが、23年以降は言論の場を奪われ、逮捕流刑を経て43年ドイツに出国、そこで没した。代表的著作に、内在的主観主義の立場から革命と個人主義の問題を追求した『ロシア社会思想史』全2巻(1906)がある。

[安井侑子]

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