主観主義(読み)シュカンシュギ

デジタル大辞泉 「主観主義」の意味・読み・例文・類語

しゅかん‐しゅぎ〔シユクワン‐〕【主観主義】

哲学で、真理価値基準主観うちにのみ帰して、それらの客観性を認めない立場。⇔客観主義
客観的諸条件を無視して、自己の主観的判断にのみ依拠する態度。⇔客観主義
刑法理論で、刑事責任根拠を主として犯人意思または性格に求める立場。⇔客観主義

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精選版 日本国語大辞典 「主観主義」の意味・読み・例文・類語

しゅかん‐しゅぎシュクヮン‥【主観主義】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 客観的諸条件を無視して、自己の主観的判断に従って行動する立場。⇔客観主義。〔普通術語辞彙(1905)〕
  3. 哲学で、真理や価値の基準は主観のうちにあるとする立場。人間の判断は、ただ各自が対象にどのようにかかわり、どう思うかということだけに依存しており、厳密に普遍妥当的で客観的な判断はないとされる。ソフィスト相対論バークリー観念論の類。⇔客観主義。〔近代語新辞典(1923)〕
  4. 社会事象が主観的・恣意的に形成されるとし、主観的要素を過大視する観念論的社会学。マルクス主義でいう。
  5. 刑法理論上の一つの立場。犯罪の外形的行為とその結果を重視する客観主義に対し、行為の主体である犯人の意思、反社会的性格、危険性を重視して、刑法的価値判断を加えようとするもの。刑罰は、この悪性を改善し、社会をその危険から防衛するためのものであるとする。⇔客観主義

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「主観主義」の意味・わかりやすい解説

主観主義
しゅかんしゅぎ

主観論」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の主観主義の言及

【刑法理論】より

… 新派の主張を図式的に要約すると,(1)意思の自由を否定し,犯罪を行為者の性格と環境から生ずる必然的現象とみる立場から(意思決定論),(2)犯罪行為を反社会的性格の徴表であるとし(犯罪徴表説),(3)罰せられるべきは,自由意思の発現とされてきた〈行為〉ではなく〈行為者〉であるとした(行為者主義)。そして,(4)犯罪の成立について行為者の反社会的性格・動機などの主観的側面を重視し(主観主義,性格責任論),(5)そのような反社会的性格による社会的危険性をもつ者は,社会が自己を防衛するためにとる一定の措置を甘受しなければならない負担を負うとした(社会的責任論)。そして,(6)刑罰は行為者の反社会的性格を改善・教育するための手段であって(改善刑論,教育刑論),(7)行為者の再犯の予防を目的とするものであり(特別予防論),(8)このようにして社会を犯罪から防衛するのである(社会防衛論)と主張した。…

※「主観主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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