インコウ(営口)特別市(読み)インコウ(英語表記)Yingkou

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インコウ(営口)特別市」の意味・わかりやすい解説

インコウ(営口)〔特別市〕
インコウ
Yingkou

中国東北地方,リヤオニン (遼寧) 省中部,リヤオトン (遼東) 湾の北東岸にある市。省轄市で4つの市区と2県から成る。市区はリヤオ (遼) 河の河口にあり,清代末から沿岸貿易が行われた。 1858年の天津条約により上流のニウチョワン (牛荘) に港が開かれ,インコウにイギリス領事館がおかれたことによって,外国では「ニウチャン」とも呼ばれた。日露戦争後は特に大豆とその加工品の積出しが多く,搾油業が発達したが,河口が浅く,冬季3ヵ月は結氷するために,ターリエン (大連) 港に繁栄を奪われた。人民共和国成立後,リヤオ河とその支流フン (渾) 河の河道が整備されて港湾条件が改善され,臨海工業都市となった。結氷期は砕氷船水路を開く。東方のインコウ県ターシーチヤオ (大石橋) 鎮からシェンター (瀋大) 鉄道の支線が延びている。付近にはマグネサイトの大鉱床がある。西部はリヤオ河平原の南部にあたり,コムギ,ダイズワタなどが栽培され,水稲作付けもふえている。人口 213万 68,うち市区人口 57万 1513 (1990) 。

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