ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
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翻訳|icebreaker
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水面に張り詰めた氷を割って航路を開く船。外洋砕氷船では単に航路を開くだけでなく、海洋観測、極地基地などの支援、氷海での救難などを目的とする船が多い。砕氷方法には、薄い氷を進航しながら割ってゆく連続砕氷と、船を加速しながら厚い氷に衝突して突き進む操作を反復するスラミング砕氷がある。スラミング砕氷では、衝突力だけで氷を割るより、氷の上に船体を乗り上げて重量も利用するほうが効率的である。そこで、最近の砕氷船は、乗り上げやすいように船首下部の傾斜をより水平に近づけ、断面も砕氷能力を向上させる形状がくふうされている。割れた氷片でプロペラが傷つかないように、断面形状にお椀(わん)形の丸みをつけて氷が浮き上がりやすくし、船尾まで流れた氷がなるべくプロペラから離れてゆく船体形状をとっている。また、加速のために後進する場合に氷が舵(かじ)に当たるのを防ぐため、船尾端部の船体が舵の後方に垂れ下がった角状(つのじょう)突起があるのも砕氷船の特徴の一つである。船体の構造はとくに強固で、普通の船よりはるかに鋼材の使用量が多い。ことに、喫水線近くの氷がよく当たる部分は、外板の厚さを増した耐氷帯ice beltが船体を取り巻いている。推進装置はほとんどが、ディーゼルまたはタービンの主機関で発電し、電気モーターでプロペラを駆動する電気推進方式である。スラミング砕氷や氷の間のジグザグした航路で頻繁に前進・後進を繰り返す砕氷船には、推力の制御が簡単にできる電気推進式が便利なためである。
砕氷船は、氷海につながる海岸線が長いロシア、カナダで多く建造されている。ロシアはソ連時代の1959年、世界最初の原子力砕氷船レーニン号(1万5740排水トン、4万4000馬力)を建造し、1975年には第二船アルクチカ号(1万9300排水トン、7万5000馬力)を完成、1977年には同型のシベリー号を加えた。その後ロシア号(1985)、セブモルプーチ号(1988)、ソビエト・ソユーズ号(1989)など多くの砕氷船を進水させた。ロシアとなってからもヤマル号(1992)、50リュート・ポベードゥイ号(2007)などを建造、現在ロシアは多くの原子力砕氷船を保有している。
日本では1956年(昭和31)、海上保安庁の宗谷(そうや)(2497総トン)が第二次世界大戦後初の南極観測業務に就航した。宗谷は1938年(昭和13)完成の灯台補給船に大改造を加えたもので、1962年まで予備観測とも6回の南極航海に従事し、現在は東京都の船の科学館に係留、保存されている。宗谷の任務を引き継いだ防衛庁(現防衛省)のふじ(常備排水量7760トン、連続砕氷能力0.8メートル、1965年完成)は、南極観測が再開されて防衛庁が担当するようになった1965年の第七次から1982年の第二十四次まで18回の南極航海を終え、防衛庁の新鋭砕氷艦しらせに任務を譲った。現在、ふじは名古屋海洋博物館に保存されている。しらせは排水量1万1600トン、全長134メートル、ディーゼル電気推進3万馬力、最大速力19ノットで、1.5メートルの連続砕氷能力をもち、原子力砕氷船を除けば世界でも大型の砕氷船であった。
[森田知治]
しらせは1983年の第二十五次南極観測から2007年(平成19)の第四十九次まで、25回の南極航海を行い、退役した。代替の南極観測船は2009年に竣工。前任船の名称を受け継いで船名は「しらせ」で、排水量1万2500トン、全長138メートル、ディーゼル電気推進3万馬力、巡航速力15ノット、1.5メートルの連続砕氷の能力をもつ。
[編集部]
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
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