マグネサイト(読み)まぐねさいと(英語表記)magnesite

翻訳|magnesite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マグネサイト」の意味・わかりやすい解説

マグネサイト
まぐねさいと
magnesite

マグネシウムの炭酸塩鉱物菱苦土鉱(りょうくどこう)あるいは菱苦土石という和名もある。堆積(たいせき)岩として大鉱床を形成するほか、超塩基性岩中や塩基性岩起源の広域変成岩中にも産する。またある種の熱水鉱床接触交代鉱床(スカルン型鉱床)にもみられる。方解石と類質同像関係(類似した化学組成で結晶構造が同じもの)にあり、そのマグネシウム置換体に相当する。自形は多く菱面体、ときに六角短柱状。日本では茨城県常陸太田(ひたちおおた)市長谷(はせ)鉱山閉山)、長崎県西海(さいかい)市西彼(せいひ)町、大分県大野郡緒方(おがた)町(現、豊後大野(ぶんごおおの)市緒方町)尾平(おびら)鉱山(閉山)などに産した。命名は元素マグネシウムを含むことによる。

加藤 昭 2018年10月19日]


マグネサイト(データノート)
まぐねさいとでーたのーと

マグネサイト
英名magnesite
化学式Mg[CO3
少量成分Fe,Mn,Ca
結晶系三方
硬度3.5~4.5
比重3.01
無,白,淡褐
光沢ガラス
条痕
劈開三方向に完全(「劈開」の項目参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マグネサイト」の意味・わかりやすい解説

マグネサイト
magnesite

菱苦土 (りょうくど) 鉱ともいう。 MgCO3炭酸マグネシウムを主成分とする鉱物。六方晶系,菱面体または柱状。白色灰色褐色など。透明または不透明で硬度 3.5~4.5,比重 3.0~3.12。熱塩酸には発泡して溶ける。普通,滑石片岩,蛇紋岩など,マグネシウムに富む岩石中に脈状に含まれて産出する。中国の東北地方,朝鮮などでは厚い層状をした鉱床がよくある。 煆焼 (かしょう) calcinationして,マグネシア (苦土) とし,金属マグネシウム,マグネシア耐火物 (苦土質煉瓦など) ,マグネシア・セメントなどの製造に使う。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

期日前投票

期日前投票制度は、2003年6月11日公布、同年12月1日施行の改正公職選挙法によって創設された。投票は原則として投票日に行われるものであるが、この制度によって、選挙の公示日(告示日)の翌日から投票日...

期日前投票の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android