化学辞典 第2版 「ウィルキンス」の解説
ウィルキンス
ウィルキンス
Wilkins, Maurice Hugh Frederick
ニュージーランド生まれのイギリスの分子生物学者.ケンブリッジ大学セント・ジョーンズ・カレッジで物理学を学び,1938年に卒業.バーミンガム大学物理学科でJ.T. Randallの研究助手になり,1940年Ph.D.を取得.第二次世界大戦時には,アメリカに渡り,マンハッタン計画に参加した.1945年スコットランドのセント・アンドルーズ大学で物理学講師,旧師のRandallの主宰する生物物理学研究に参加.1946年Randallとともにロンドンのキングス・カレッジの生物物理研究所に移る.1955年同所副所長.結晶学者R. FranklinとともにDNAのX線回折による構造決定を行った.DNAの構造決定の業績により,1962年F.H.C. Crick(クリック),J.D. Watson(ワトソン)とともにノーベル生理学・医学賞を受賞.後半生ではキングス・カレッジで長く教えるとともに核廃絶運動にも積極的に参加した.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報