大学事典 「オフィス・アワー」の解説
オフィス・アワー
高等教育機関において,教員が特定の場所・時間を指定して,学生の質問・相談に応じること。学習助言(アカデミック・アドバイジング)機能の一つ。アメリカの大学で普及している制度であるが,現在は日本でも多くの大学で取り入れられている。指導教官制(チューター)の導入と合わせて,個々の学生の履修相談・指導,修学支援を行う方法として推奨されている。一般的にはシラバスにオフィス・アワーの条件を明示し,学生に周知している。受講している授業内容に限定される場合もあるが,所属学部・学科を超えて学習や進路に関する内容など自由に相談できる場合もある。通常,一対一の面談方式で行われるため,教員との関係性を深める方法としても効果的である。一方,教員の多忙化や学生の学習への消極性といった問題から,積極的に活用されていないケースも少なくない。教育システムの複雑化に学生が適応できるようオフィス・アワーの実質化が求められる。
著者: 山田剛史
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報