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オペロン説 オペロンせつoperon theory

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オペロン説
オペロンせつ
operon theory

原核細胞の遺伝子の転写調節を説明するために,1961年,J. F.ジャコブと J. L.モノが提唱した仮説。いくつかの遺伝子群が,上流にある調節領域に制御されている1つの系をオペロンと呼び,フィードバックをもとにしたモデルで,転写調節の仕組みを説いた。 RNAポリメラーゼ結合部位 (プロモーター) に近接したオペレーターとリプレッサーという2つの相反する機能をもつ調節領域を想定した。その後,類似した調節機構の存在が多くの遺伝子で実証され,現在は真核生物の転写制御でもその基本的な考え方は継承されている。なお,ジャコブとモノはこれにより 1965年ノーベル生理学・医学賞を受賞した。

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世界大百科事典内のオペロン説の言及

【アロステリック効果】より

…アロalloは異なる,ステリックstericは立体構造が,という意味で,以下に述べるいくつかの具体的な実験事実の解釈として,特定の酵素の活性が,その基質となる化合物と立体構造(化学構造)上の類似性に乏しい特定の生体物質によって調節される現象を想定している。モノは,このアロステリック効果の提唱の少し前に,タンパク質生合成の調節機作として,いわゆるオペロン説の提唱も行っている。 1950年代の後半に,アミノ酸やヌクレオチド類の生合成や分解代謝を研究していたいくつかのグループが,代謝の流れが自動的に調節される現象を発見した。…

【代謝】より

…酵素の量とは,活性型分子の濃度を指すが,その増減はまず酵素の主成分であるタンパク質の生合成と分解の調節の結果を意味する。タンパク質の分解を調節する分子機構がまだ統一的理解に達していないのに対し,生合成のほうはJ.モノーらのオペロン説に基づくインダクション(誘導)とリプレッション(抑制)のしくみによって巧妙に説明されている(図3)。活性型酵素の量はこのほか,ペプシノーゲン→ペプシン,キモトリプシノーゲン→キモトリプシンなどの例で知られる不活性前駆体(チモーゲン,プロ酵素)のプロテアーゼ限定分解による活性型への転換,不活性サブユニットの分子集合による活性発現,補酵素の供給などによっても調節される。…

【分子生物学】より

…タンパク質が固有のアミノ酸配列をもち,特異な機能を発現する前提として,タンパク質が遺伝情報をもとにいかにして合成されるかという基本問題が次なる研究課題となった。1961年にフランス・パリ学派のF.ジャコブとJ.モノーがオペロン説を提唱し,酵素の誘導合成の遺伝的調節の様式が示され,分子生物学は一つの頂点に立った。ついで,メッセンジャーRNA,転移RNA,リボソームなどタンパク合成に関与する主要因子が明らかになる過程で,クリックなどによって遺伝暗号が解かれ,遺伝情報発現のセントラル・ドグマが確立した。…

※「オペロン説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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