オートマルヌ県(読み)オートマルヌ(その他表記)Haute-Marne

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オートマルヌ県」の意味・わかりやすい解説

オートマルヌ〔県〕
オートマルヌ
Haute-Marne

フランス北東部,シャンパーニュアルデンヌ地域 (レジオン) の県。パリ盆地東端にある。県都ショーモン。サンディジエを中心都市とする北部地区は,沼地,森林,牧場の多いデール地方およびバラージュ地方から成り,ここでは牧草地に混ってテンサイ畑もある。マルヌ川の上流域は,集落,農地,牧場が続く河谷内と,その両岸の集落も少く森林の多い石灰岩質台地とが著しい対照をなす。林業の盛んなこの台地はマルヌ川に沿ってショーモン付近まで延び,次いで北東-南西に向うケスタ地形を示して河谷の牧畜地帯にのぞんでいる。南西部の石灰岩質のラングル高原 (標高約 500m) は地味もやせ,冬の寒さもきびしい過疎地帯である。南東部のバッシニ低地は,粘土質の湿潤な牧草地。県内には小さな鉄鉱山と森林の薪を利用する鉄鋼業が古くから発達し,刃物工業が有名。現在製鉄はサンディジエを中心とする北部地方,刃物,鋏,外科手術用器具製造などはノジャンを中心とする南部地方がそれぞれ主産地。ほかに,工業としては木工,手袋製造 (ショーモン付近) ,編み物工業,チーズ製造などがある。面積 6211km2。人口 20万 4067 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android