製鉄(読み)セイテツ

デジタル大辞泉 「製鉄」の意味・読み・例文・類語

せい‐てつ【製鉄】

鉄鉱石を製錬して銑鉄をつくること。
[類語]精錬冶金製鋼

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「製鉄」の意味・読み・例文・類語

せい‐てつ【製鉄】

  1. 〘 名詞 〙 鉄鉱石から銑鉄をつくること。さらに粗鋼生産までを含めていう場合もある。ふつう溶鉱炉により、酸化鉄の鉄鉱石、石灰石およびコークスを混合して、高温度還元溶融が行なわれて銑鉄ができる。
    1. [初出の実例]「故に製鉄局、製造局を初として」(出典:明治月刊(1868)〈大阪府編〉二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「製鉄」の意味・わかりやすい解説

製鉄【せいてつ】

鉄鉱石を還元製錬して炭素含有量が3〜4.5%の銑鉄をつくること。製銑ともいう。銑鉄を精錬して炭素含有量の少ない鋼にする製鋼,さらにレール鋼管などの鋼材をつくる圧延過程までを含めることもある。鉄鉱石の製錬はほとんどが高炉で行われるが,銑鉄の成分に特別の要求のある場合などは電気炉なども使われる。高炉で銑1tをつくる場合,原料は鉄鉱石300kg,焼結鉱1100kg,ペレット(球状の焼成鋼)190kg,その他の鉄源15kg,マンガン鉱石10kg,コークス450kg,重油65kg,石灰石15kg,電力20kW,水50tが必要となる。現在製鉄所では銑鋼一貫作業方式をとっているため,大部分の銑鉄は溶けたまま製鋼工程に移される。
→関連項目直接製鉄鉄鋼鉄鋼業

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の製鉄の言及

【鉄】より

…化学に直接関連した用途としては鉄化合物製造の原料,有機化合物の還元,アンモニアや石油合成における触媒等がある。製鉄・製鋼鋼(はがね)【近藤 幸夫】
[生体と鉄]
 鉄は生体に必須な微量元素の一つで,必須微量元素中では生体内で最も需要量が高い。原子価を2価と3価の間で変換することにより電子の授受を行い,酸化還元反応に関与する。…

【鉄鋼業】より


【鉄鋼技術の発展段階】
 鉄鋼業の歴史は人類の歴史とともに古いが,高炉(溶鉱炉)は15世紀ころ,ライン川上流地方に出現したのが始まりといわれている。それまでの製鉄法は土坑・低シャフトのレン炉Rennfeurによるものであり,鉄鉱石は低温で還元されたため,半溶状の鉄塊(Luppe(ドイツ語),bloom(英語))が製造された。この鉄塊には多量のスラグ(鉱滓)が混入していたので,鋼製品を製造するには,スラグをしぼりだすために鉄塊を繰り返し加熱・鍛錬する方法が採られた。…

※「製鉄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android