カスケードインパクター(読み)かすけーどいんぱくたー

化学辞典 第2版 「カスケードインパクター」の解説

カスケードインパクター
カスケードインパクター
cascade impactor

空気中の粉じんの捕集測定器の一種.試料空気を細孔からガラス製のサンプリングプレートに向かって噴出し,粉じん粒子を衝突させて付着させる.この操作を4~5段,滝状に繰り返す.第一段階目で最大経の粒子が捕そくされ,以下,しだいに小粒径の粒子が捕らえられる.プレートに捕そくできない微小粒子は,多孔性の膜フィルターで捕集することもある.0.2~100 μm の粒子が測定できる.硫酸ミストなどの液体懸濁質は,pH指示薬を含んだフィルムを用いて着色させ,観測することができる.花粉症の原因となる空気中の花粉量の測定などにも利用されている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のカスケードインパクターの言及

【細塵計】より

…大気中の微細塵埃(じんあい)の数量などを測る器械。塵埃を含む湿潤空気を断熱的に膨張させ,塵埃を核として凝結した霧粒の数を測るもの(エイトケン核計数器),塵埃による光の散乱を利用して計数するもの,外気を細隙を通して吸引し,その直後に置かれた板(ガラス板や粘着性物質を塗布したガラス板など)に細塵を捕捉し,捕捉した細塵を計数するもの(インパクターといい,板が何枚もつぎつぎに置かれたものをカスケード・インパクターという)がある。その他,遠心力や静電気を利用して細塵を捕捉するものや,荷電粒子が電場におかれた場合の移動速度を測定し,その値から求めるものもある。…

※「カスケードインパクター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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