キャップ構造(読み)キャップコウゾウ

化学辞典 第2版 「キャップ構造」の解説

キャップ構造
キャップコウゾウ
cap structure

真核細胞mRNAの5′末端にみられる修飾構造.転写後,mRNAの5′末端ヌクレオチド(pppN…)からリン酸(p)が一個除去され(ppN…),これにグアノシン三リン酸GTPが反応してGpppN…となり,さらにグアニン(G)の7位にメチル基がついてキャップ構造となる(CH3-GpppN…).

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のキャップ構造の言及

【RNA】より

…(1)RNAがDNAから転写される際,原核生物でも真核生物でも転写開始の5′末端は通常AまたはGであり,遺伝子ごとにどちらかに決まっている。真核生物のmRNAの場合には,転写開始後にキャップ構造と呼ばれる7‐メチルグアノシンからなる構造が,この新生5′末端に付加されるが,その結合様式は5′‐5′リン酸ジエステル結合という特異な型である。新生5′末端がAである場合を例にとると,1分子のグアノシン三リン酸(GTP)が酵素の働きでmRNAの5′末端と3’G5’ppp5’A3’pの型の結合(pはリン酸を示す)を形成し,次にこのグアニン残基の7位がメチル化され,さらに隣のヌクレオチド(この場合はA)のリボースの2′の水酸基がメチル化される。…

※「キャップ構造」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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